茶鼠舎

茶鼠舎について

四十八茶百鼠——江戸の粋を現代に。

江戸時代、幕府はたびたび奢侈禁止令を発し、町人の衣服に使える色を厳しく制限した。茶色、鼠色、藍色——許されたのは、ごくわずかな地味な色だけだった。

しかし、江戸の人々はその制約に屈しなかった。

茶のなかに赤みを帯びた「江戸茶」、青みを含む「藍鼠」、黄を忍ばせた「媚茶」、紫がかった「鳩羽鼠」。茶と鼠だけで四十八種、さらに百種の鼠色を生み出したという。「四十八茶百鼠」と呼ばれるその色彩体系は、制約のなかでこそ美を研ぎ澄ます、江戸の粋の結晶だった。

派手さを競うのではなく、微かな差異のなかに個性を見出すこと。大きな声ではなく、静かな佇まいで品格を伝えること。それが粋であり、野暮の対極にあるものだった。

茶鼠舎という名は、その精神を受け継いでいる。

茶鼠舎の仕事

わたしたちの仕事は、一冊一冊、届けるべき読者の顔を思い浮かべながら本を作ることだ。数を誇るのではなく、一冊の密度と品格で勝負する。

茶鼠舎は一つの古典を一つのかたちに閉じ込めない。原文の息づかいを残す現代語訳も、初めて手に取る読者のためのやさしい解説書も、海の向こうの読者に届ける英訳も、等しくひとつの仕事として向き合う。書籍ごとに読者が異なる以上、言葉の選び方も自ずと変わる。共通するのは、煽らないこと、誠実であることだけだ。

茶と鼠のあいだに無数の美を見出した江戸の職人たちのように、限られた条件のなかで最良の一冊を作る。それが茶鼠舎の仕事である。

刊行シリーズ

茶鼠舎の刊行物は、次の系統からなる。

茶鼠叢書

青空文庫に収められた明治期の古典を、現代語訳・やさしい解説書・英訳の三つのかたちで読み継ぐシリーズ群。新渡戸稲造『修養』、橋本左内『啓発録』、幸田露伴『努力論』、泉鏡花『怪談』等を順次刊行している。英訳シリーズ The Japanese Art of Self-Mastery は、日本の自己修養思想を英語圏に紹介する試みである。

沿革

茶鼠舎は2026年3月、ディベル合同会社の出版事業として設立された。新渡戸稲造『修養』の現代語訳および英訳 Shūyō: The Japanese Art of Self-Mastery を同時刊行することから始まった。

その後、橋本左内『啓発録』、幸田露伴『努力論』、泉鏡花『怪談』等の明治期古典を、現代語訳・解説書・英訳の3フォーマットで順次刊行している。

事業情報

屋号
茶鼠舎(Chanezusha)
運営法人
ディベル合同会社(Dibell LLC)
代表社員
橋本直樹
所在地
〒963-8012 福島県郡山市咲田一丁目20番17号
創業
2026年3月
事業内容
書籍の企画・編集・出版
Web
chanezu.com
お問い合わせ
contact@chanezu.com